天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜

「図々しいと思ったんですけど、来て良かったです。翔平さんたら、ドアに鍵も掛けずに寝てるんですもの……」


「あ、そうだったっけ? 来てくれて嬉しいよ。ありがとう」


「どういたしまして。ちょっと失礼します」


と言うなり、麻衣ちゃんが俺に向けて手をスッと伸ばして来た。


何事かと思い、ドキドキしていると、麻衣ちゃんの小さな手が俺のオデコにピタッと着けられた。


麻衣ちゃんの手は、少しヒンヤリしていた。