俺はミー子が喋ったのかと思って大声を出したのだが、そんなわけもなく、しかし声の主を見て、もう一度ビックリしてしまった。


「ま、麻衣ちゃん!?」


蒲団からムクッと頭を上げたのは、見紛うことなく眠そうな顔をした麻衣ちゃんその人だった。


「これも幻覚なのか?」


おそるおそる麻衣ちゃんの幻覚かもしれない顔に手を伸ばすと、それをムズッと、幻覚かもしれない麻衣ちゃんの、白くて小さくて柔らかい手で掴まれてしまった。


「私は本物ですよ?」