それからどのくらい経っただろうか……


ふと気付くと、泣きそうで、心配そうにも見える麻衣ちゃんの幻覚が見えた。


「麻衣ちゃん、ごめんね?」


その幻覚に向かって謝ったら、


「いいのよ、翔平さん」


と、幻聴が聞こえた。


「君は俺を許してくれるのかい? こんな俺を……」


「はい。それよりも、早く元気になってくださいね?」


我ながら自分に都合のよい幻聴だな、とは思ったが、嬉しくて思わず幻覚の麻衣ちゃんに手を伸ばすと、ぐいっと引き寄せていた。


「きゃっ」