「……から、今日は見逃してあげます。でも、もう痴漢なんかしないでください」


いきなり聞こえた女の子の言葉は、そんな内容だった。顔も可愛いけど、声も可愛いじゃないか……


俺がボーッとしていると、女の子はさっさと俺に背を向け、階段に向かって歩いて行った。


何か、何か言わなければ……


焦った俺は、女の子の背中に向かい、大声で言った。


「見逃してくれて、ありがとう!」