天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜

差し出した手に、柔らかくて、温かくて、小さい何かが触れるのを感じた。


そっと顔を上げると、白くて小さい手が、遠慮がちに俺の手を握っている……


更に顔を上げると、真っ赤な顔をした麻衣ちゃんが、ちょっと困ったような表情で俺を見つめていた。


「もう……恥ずかしいです」


「お、俺も……」


「でも、すごく嬉しいです」


「え? じゃあ、麻衣ちゃんも俺の事を?」


「はい」


「ありがとう!」


俺は左手も出して、麻衣ちゃんの小さな可愛い手を両手で包み込んだ。


本当なら、麻衣ちゃんをガバッと抱きしめたいところだけど……