天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜

俺はビクッとして武田の顔を見ると、今まで見た事もないほど怒った顔をしていた。


「ど、どうしたんだよ、武田くん……?」


「“武田くん”じゃねえよ。お前の天然ぶりはおもしれえと思ってたけど、最近は腹が立って来たぜ」


「天然のブリか? 養殖じゃなくて。あれ、美味いよな?」


ポカッ


「ボケかましてんじゃねえ!」


武田に頭を引っ叩かれてしまった。


「痛えなあ……」


「お前さ、鏡で自分の顔見て、どう思ってる?」


俺が頭を摩ってると、今度は穏やかに、武田がそんな質問をしてきた。