「へーほ、ほうはっは?」(デート、どうだった?)


幸江は口の中でモグモグとさせながら聞いた。


『うんっ楽しかったよ!!』


姫華はニッコリと嬉しそうに笑った。




なんで幸江のモグモグ言葉が分かるかと言うと、長年一緒にいるからだ。




「いいな〜」


『さっちゃんも大久保くんとデートしなよ!!』


「え゙ッ…無理無理無理ッ」


幸江は頭が取れるんじゃないかと思うくらい顔を横に振った。




『なんで?』


「だだだだって…恥ずかしいじゃないッ」


幸江は顔を真っ赤にさせて俯いた。


「それに…まだ数回しか話した事ないし…。」


『大久保くん、好きな人いないらしいよ!!』


「ほんとっ!?」


『うん!!』


「じゃあ、私にもチャンスある!?」


『あるよッ、絶対ッ』


私は幸江の手をギュッと握った。