両親が交通事故で亡くなったのだ。




姫華の両親が亡くなった時、皆が皆、姫華の事を“可哀相な子”と口々に漏らした。




姫華の小さな背中は哀しみに満ち、瞳から光が消えていた。




それから姫華の自傷行為は始まった。




精神的に何処までも落ちていき、何度も「死にたい」と言った。




その度に俺が抱きしめてあげた。




姫華は俺に抱きしめられながら、「なんで私だけが生きてるの?私が死ねばよかったのに…。」と何度も呟いていた。




俺は姫華の変わりに涙を流した。




姫華の苦しみを俺も一緒になって感じようと思った。




俺は天国にいる姫華の両親に、姫華が元通り明るい笑顔を見せてくれるよう祈った。




それから半年。




姫華が叔父に養女として引き取られた。




最初は戸惑いがちだった姫華もだんだんと精神的にも落ち着き、笑顔も見せてくれるようになった。