―咲人side―


俺は恵蘭高校に通う2年生。




生まれた頃から姫華と一緒にいて幼なじみだ。




家もご近所で家族ぐるみで仲が良い。




初めて好きになったのも、初めて大切にしたいと思ったのも、全部姫華が最初だった。




君は覚えているだろうか。




あの時の約束を…。




――――…




『姫華、咲ちゃんのことだーいスキッ』


「僕も姫ちゃんの事だーいスキ!!」


『じゃあ姫華、咲ちゃんのお嫁さんになるっ』


「本当!?じゃあ大きくなったら僕と結婚してくれる?」


『うんっ』


姫華は元気よく返事をし、俺に抱き着いた。




――――…




幼い頃にした口約束。




俺の中では今でもその約束を胸に毎日を過ごしている。




姫華の笑顔を見るだけで癒され、好きな気持ちで胸がいっぱいになる。




その笑顔を奪った事件が起きた。