俺はこの家に向かってくる足音が聞こえ、反射的に足音の方へ顔を向けた。




そしたら…




姫華が男と手を繋いで歩いてきているのが見えた。




え……?




誰だよソイツ……。




俺は視線を逸らすことなく2人を見つめた。




姫華と男の手が離れたかと思ったら、男が姫華に近付き、額にキスをしているのが見えた。




なんで……?




触るな…




触るなッッ




今まで姫華に近付く男は咲兄と一緒に蹴散らしてきた。




俺も咲兄もお互いが姫華を好きな気持ちは知っている。




だからこそ協力して、お互い悔いのないような恋愛をしようとしていた。




なのに、今日いきなり姫華は男と帰ってきた。




2人共親密そうだった…。




咲兄は何やってんだよっ




俺は咲兄に悪態をつきながらベッドに寝転がった。