そんなこと……




誕生日が10月で


血液型がA型で


成績は常に上位キープ


男女関係なく人気で




「お前、姫華の上辺しか知らねーだろ?」




あれ?




なんで?




どうして?




そんな……




姫華はいつも笑ってて……
可愛い笑顔を見せてくれる……




人が困ってると、助けてくれたり、皆平等に優しい




だけど




それしか知らない。




「姫華は両親がいないんだぞ。」




え…………?




「俺は姫華から直接聞いたわけじゃないが、担任だから調べたんだ。」




そんなこと一言も……。




「今は叔父の所にいるみたいだ。聞いてないのか?」


「はい……。」




どうして両親が……


どうして言ってくれなかったんだろう……




「まぁこれは姫華の問題だ。直接聞いた方がいい。それより……」




さっきから笠原が“姫華”と言うと、胸に針が刺さったようにズキズキと痛む。




「喧嘩の原因はお前だろ?」


「……。」


「ったく……。」




気付いたら、タバコが3本目にいっていた。




「お前がのろのろしてっと、とられるぞ。




俺に。」


「え!?」




俺は勢いよく、ガバッと顔を上げて目を見開いた。