中庭につくと、花が沢山植えられている花壇の近くのベンチに、2人で座った。




暖かで、ポカポカな陽気。




緩やかな風が姫華の髪を優しく撫でる。




私は目を瞑り、心を落ち着かせた。




ゆっくり目を開き、話しはじめた。




『優哉くんに…………浮気された……の……。』


「……そう。」




幸江はなんとなく気付いていたのか、驚くことはなかった。




『たまたまね、見ちゃったんだ……。』


「何を?」




また頭にあの光景が過ぎる。




心臓をギュッとわしづかみされたようで……
痛くて、痛くて……




『キスされてた……。』




苦しくなる……。




目が



頭が



熱くなる。




目を閉じたら、一筋の涙が流れた。




幸江は姫華を横から優しく抱きしめた。




私はさっちゃんに寄り掛かりながら、声を押し殺して涙を流した。


















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