『いや~気分悪くなっちゃって保健室で寝てたの。』


私は心配させまいと「テヘッ♪」とお茶目に言った。




「気分悪くなった?大丈夫なのか?」




肩を竦め、心配そうに姫華の顔を覗く。




『んー…分かんない。』


姫華は眉を下げて空笑いし、ベッドに横になって咲人に背中を向けた。




思い出すのはあのカラオケ店でのこと。




優哉くん……




なんであの時女の子といたの?




その女の子は誰?




なんで腕組んでるの?




なんでキスされてるの?




なんで振り払わなかったの?




思い出すだけで……胸から哀しみが込み上げてくるよ……。




後戻りできないくらい優哉くんの事が好きになってるんだ……。




目頭が熱くなるのを抑え




『…………恋愛って難しいね……。』


と小さく呟いた。




「姫華…?」




神様はイジワルだ。




好きになってしまった人の隣に私以外の女の子を用意するんだもん。




優哉くん




あなたが口にするのは言い訳?嘘?




どっちも聞きたくない。




そんな事聞くなら距離を置いた方がマシ。




だって……見たくないから……。




女の子と歩いている優哉くんなんて……見たくないから。




優哉くんと付き合い始めて3ヶ月。




傷は浅い方がいい。




私は静かに目を閉じ、一筋の涙を流した。