俺はそんな機嫌が良いように見えるか?


「笑ってんじゃねーよ。」


俺は秀紀の背中をポスッと軽く拳で叩いた。


「ごめんごめん。お前なんか嬉しそうだからさ。」


「まぁな。」


「なんか良い事あったのか?」


「おう。」


俺は膝を伸ばしながら頷いた。


「なんだよ。勿体振らねーで教えろって。」




「彼女できた。」




……………………………。




「え゙ッッ」


「うんしょっと……ストレッチ終わりー。」


「え゙ぇぇぇぇぇぇぇぇッッ!!??」


秀紀の声が体育館中に響いた。


俺は身体を伸ばしたまま固まっている秀紀を無視し、体育館の周りをランニングし始めた。