「は!?もしかして俺達も見るのか!?」


『当たり前じゃん。』


私は咲人の腕を引っ張りながらズンズンと前へ進んだ。




幸江達と同じ映画のチケットを買い、中へ入った。




『えーっと…さっちゃん達はー…と……あっ、いた!』

私は幸江達を見つけると、すぐ後ろの席に座った。



ボソッ
「こんなすぐ後ろに座ったらすぐバレんじゃねーの?」

ボソッ
『大丈夫よ!私は2人を見守るって決めたんだから。』




映画が始まった。










『ウッ…ウッ…グスッ……ズビッ…』


「……。」




私は悲恋の物語に感涙を催していた。




「ハァ……鼻ふけ。」


咲人は姫華の鼻にハンカチを被せ、鼻をかませた。




『うー…(涙』




映画が終わり、室内が明るくなった。




「あいつら行っちまったぞ。」


『えッ、ちょッ、私達も早く行くよ!!』


私は涙をハンカチで拭くと、早急に幸江達を探し、咲人の手を掴んで付いていった。