−*初カレ*−

『お母さんに思ってる事言ってみよ?』


「…………うん。」


陽奈ちゃんは肩を震わせ、涙を堪えながら小さく頷いた。




『泣いていいよ。私の胸貸してあげる。』




「…グスッ……うわぁぁぁぁぁぁぁッッ」




陽奈ちゃんは、私の胸に顔を寄せると、今まで溜まっっていたものを吐き出すかのように泣き崩れた。




私は陽奈ちゃんの背中をさすり、一緒に涙を流した。




幸江と優哉は静かに2人を見守っていた。












「…グスッ……ありがと……。」


陽奈は泣き止んだ後、顔をゆっくり上げた。




『もう大丈夫?』


「うん。」


陽奈は手で目元を擦るように拭った。




『擦ると跡になるよ?』


私はハンカチを出し、陽奈ちゃんに渡した。




陽奈はハンカチを受け取ると、そっと目元を拭った。




まだ心細いのか、陽奈ちゃんは私から離れない。