−*初カレ*−

私は陽奈ちゃんの話を聞いてたら、自然と陽奈ちゃんを抱きしめていた。




『私は側にいるよ。』


「……。」


『突き放されても、陽奈ちゃんの側にいる。』


「……。」


『本当は友達が欲しいんじゃない?』


「……ぅ…」


『本当は男の子として生きたいんじゃないの?』


「でも……」


『お兄さん達がよくて、何で陽奈ちゃんが駄目なの?』


「……。」


『陽奈ちゃんは男の子。』


「……。」


『お母さんに言ってみない?』


「……でも……母さんが悲しむ。」


『優しいんだね……。』


私は優しく背中を撫でた。




『でもね……それじゃあ陽奈ちゃんはどうなるの?
陽奈ちゃんの心は壊れないの?
ずっとずっと我慢してきて、我慢の限界を超えているんじゃない?』


「…………僕は…。」


『本当は男の子として認めてもらいたいんじゃない?』


「…………うん。」




私は陽奈ちゃんの身体をゆっくりと離した。