−*初カレ*−

「どうしたの!?」


「どうした!?」


私の叫び声に幸江と優哉が駆け寄ってきた。




「どうし……。」


幸江は陽奈の姿を見て固まった。




「あっ…やっぱりな……。」


優哉は何故か落ち着いていた。




「僕は正真正銘の男。
もういいだろ。出てけよ。」


陽奈は私達を追い出し、カーテンをシャッと勢いよく閉めた。










しばらくしてカーテンが開くと、ジャージ姿に身を包んだ陽奈ちゃんの姿があった。




着替える前は胸があったのに、今は無い。




今までブラをしていたのだろうか。




「何か聞きたい事あんだろ…?」


陽奈はベッドに座り、胡座をかいた。




完全に男口調だ。




「それが素?」


「そうだけど?」


陽奈はムスッとし、頬杖をついた。




『なんで女の子の格好してるの?』


「そんなのあんたらに関係無いだろ?」


『でも、私は陽奈ちゃんの友達だから……。』


「どうせ裏切るだろ?」


『なんで…。』


「そんなに聞きたいなら…聞かせてやる。どうせあんたらも聞いたら離れるから。」


『そんなことない!!』


私は声を張り上げ、陽奈を真っ直ぐ見据えた。




陽奈は一緒ビクッと肩を震わせたが、溜め息を吐き出し話し始めた。








――――…