−*初カレ*−

「お礼なんて言わないからね。」


『うん。それより保健室行こ。』


私は陽奈ちゃんの腕を自分の首に回し、抱き起こした。




「一人で行けるわよ。」


『いいから行くよ。』


私は陽奈ちゃんの言葉を無視し、保健室へ向かった。




幸江と優哉には電話で連絡し、2人共保健室に来てくれた。




私が陽奈の手当てをしている時、優哉と幸江が保健室に入ってきた。




「あんた何してんのよ。」


「……。」


「ったく姫華にまで迷惑かけて……。」


「勝手にコイツが来たのよ。」


「はぁ!?姫華がいなかったらあんたもっと傷だらけだったのよ!?」


「止めろなんて言ってないし。」


「あんた何様!?」


「陽奈様。」




2人はギャーギャーと言い争い、その光景に優哉は呆れていた。




「はい。着替え。」


「ありがとう……。」


陽奈は優哉からジャージを受け取った。




陽奈の制服はカッターシャツが所々破けていて悲惨な姿だ。