−*初カレ*−

『でも、心配だから探してくる。』


私を足止めする幸江を振り払い、私は教室から出てった。




「はぁ……お人よしなんだから。」


私が出ていった後、幸江がボソリと呟いていた言葉は優哉しか聞こえていなかった。










トイレ、職員室、図書室、保健室、視聴覚室、音楽室、パソコン室、食堂、購買など、探しても陽奈の姿は見当たらなかった。




外を探してみよう。




グラウンド、テニスコート、中庭、校舎裏にもいない。




中庭でご飯を食べている女の子達に聞いてみた。




『ねぇねぇ。』


「なに〜?」


『私より少し大きくて、茶髪のロングの女の子見なかった?』


「あぁ、その子なら見かけたよ。」


『本当!?』


「うん。なんか女の子沢山と一緒にいた気がする。」


『どこに行ったか分かる?』


「んー、確か体育館の方に行ったと思うんだけど…。」


『分かった!!教えてくれてありがとう!!』


私は女の子にお礼を言い、体育館の方へ走った。




この時間に体育館なんて使う?