−*初カレ*−

『どこが分からないの?』


「……。」


『このチェックがされている所?』


「はぁー……そうよ。」


陽奈は呆れたように溜め息を零し、椅子に座った。




『ここを書き換えるならbecome ofだよ。What has become of〜?で「〜はどうなったか」って意味。』


「……。」


陽奈ちゃんは素直に空欄に書き込んでいた。



ボソッ
「…………ありがと。」


『え?』


「フンッ//」


陽奈は英語の教科書を閉じると顔を私から背けた。




『ふふ♪』


私はなんだか嬉しくて微笑した。




心の中では舞い上がっていたけど。








お昼休み


みんなでお昼を食べようと、幸江と優哉を呼んでお弁当を広げた。




『陽奈ちゃんは?』


「さぁ?」


「トイレじゃないか?」


『うーん……。』




いつもお昼になると、真っ先に優哉のところに来る陽奈がいない……。




『ちょっと探してくる。』


私は席を立った。




「止めときなって。すぐ戻ってくるわよ。」


幸江は私の腕を掴んだ。