−*初カレ*−

「陽奈ちゃん可愛いね。」


「本当?ありがとう〜」




笑ってるのに、笑ってない。




作った笑顔のような感じがするのは気のせい?




「おはよう。」


『優哉くん、おはよう!』




優哉が教室に入ってきた。




「優哉くぅーん、おはよう〜」


「あぁ…はよ…。」


優哉はチラッと陽奈の方を見ると、溜め息をついた。




陽奈は転校してからずっと、優哉に話し掛けたり、くっついたりしている。




見てるとなんだか胸がチクッとして嫉妬してる自分がいる……




でも優哉くんにくっついたりしているのは、陽奈ちゃんの周りに友達がいないからなのかもしれない。




「ねぇねぇ〜英語でぇ〜分からない所があるんだけどぉ〜教えてくれる?」


陽奈は首を傾げて手を合わせ、上目遣いで優哉にお願いした。




「あぁ〜…俺英語苦手なんだよ。姫華なら得意だから聞いて見たら?」


「……。」


『陽奈ちゃん、教えてあげよっか?』


「……いい。」


『教えてあげるよ♪』


私は陽奈ちゃんの持っている英語の教科書を広げ、筆記用具を出した。