−*初カレ*−

「キシャーッ」


『いたッ』


子猫は威嚇し、私の指をガブッと噛んだ。




何も危害を加えないよと安心させるように、噛まれたまま動かさず、子猫の目を真っ直ぐ見た。




「……。」


『……。』


「ニャー…」


子猫は私の指から口を離すと、指をペロペロ舐め始めた。




子猫の首辺りを撫でてあげると、喉をゴロゴロさせながら懐いてきた。




『良かった…。』


私はホッと胸を撫で下ろし、子猫を抱き上げたままお風呂場へ向かった。




『お義母さん、ありがとう。』


「どういたしまして。猫ちゃんを温めてあげてね。」


『うん。』




お義母さんがお風呂場から出ていった後、お湯で子猫を洗ってあげた。




よく見たらこの子、オスだ。




道理で元気が良いはずだ。




子猫をタオルで拭いてあげて抱き上げると、そのまま自室へ行った。