−*初カレ*−

『陽奈ちゃん、陽奈ちゃんのお家って何処?』


「B町。」


『B町かぁー…。じゃあ反対だね。』


「あっそ。」


『校門まで一緒に行こう♪』


「はぁ?なんであんたと行かなきゃいけないのよ。」


『だって一緒に帰りたいんだもん♪』


「はぁー…。」


陽奈は盛大に溜め息を吐き出し、鞄を肩にかけた。




「勝手にすれば。」


『うん♪』


私は元気よく返事をし、早歩きしている陽奈ちゃんの後を追った。




雨はまだ降っている。




傘を開き、早歩きしている陽奈ちゃんを追い掛けた。




校門まで2人で歩き、その間姫華は陽奈に話し掛けていたが、陽奈は全面シカトでスタスタと歩き、姫華と距離をとっていた。




『じゃあ陽奈ちゃんっ、また明日ね!!』


「……。」


陽奈は後ろを向き、スタスタと足早に私と反対方向を歩いていった。




私は陽奈ちゃんが見えなくなるまで手を振っていた。