「行こっ、優哉くん♪」


「え?え?」


陽奈は優哉の腕をとり、引きずるように教室を出ていった。




行っちゃった……。




「いいの?」


幸江は2人が出ていった扉を指差した。




『……うん……案内だけだし……。』


「……。」




案内だけだもん。




だから大丈夫。




私は何度も『大丈夫。』という言葉を頭の中で唱えた。








2人はお昼休みまで帰ってこなかった。




お昼休みになると優哉がぐったりとした状態で机に突っ伏していた。




『優哉くん、大丈夫?』


「え?……あぁ……疲れた。」




本当に疲れたみたいだ。




いつもはお昼になると「お腹空いた。」と言う優哉が何も言わないのだから。




『優哉くん、ご飯食べよ?』


「あぁ…。」




私は幸江を呼び、優哉くんの席のところでお弁当を広げた。