『じゃあまた後でね。』


「おう。」




私たちはそれぞれ席に着き、宏ちゃんの話を聞いた。




「今日は転校生がいる。」


ザワッ




宏介の言葉に教室内がざわついた。




「南沢、入ってこい。」




―ガラッ




わっ……


可愛い……。




入ってきたのは女の子。


身長は私より大きいけど小柄の方で、目がクリッとしてお人形みたいだ。




女の子は茶色い髪を靡かせ、教卓の隣に立った。




「南沢陽奈(ミナミサワ ヒナ)です。よろしくね♪」


女の子はニコッと笑い挨拶した。




その笑顔にクラス中の男の子達はドキューンと胸を打たれた。




「南沢の席は〜…岡野の隣が空いてるな。そこ座ってくれ。」




陽奈ちゃんの席は優哉くんの左隣。




陽奈ちゃんは席に座ると、隣の優哉くんに笑顔で「よろしくね♪」と言った。




優哉は陽奈の方を見ると、軽く会釈した。