『ふ……んっ……はぁ……』




戸惑いながらも一生懸命に絡め、吐息が漏れる。




口の中でどちらのか分からない唾液が混ざりあい、クチュッと卑猥な音が鳴る。




キスって…すごい…。




こんなに気持ちよくて、心が満たされるなんて…。




初めて同士だから下手くそだけど、想いあってるからこそ胸がいっぱいになる。




唇が離れるとバッチリと目が合い、お互い茹蛸のように顔が真っ赤になった。




「えっと…いっぱいキスしたね///」


『うん……///』


「もっとキスが上手くなるように練習が必要だね。」


『クスッ…そうだね。』




お互い顔を見合わせ柔らかい微笑みを浮かべた。




私達は両手を合わせてから、一つ一つ指を絡め、引き寄せあうかのようにまた唇を重ねた。






桜並木に囲まれる2人。




桜の見頃ももう終盤。
まだほのかに桜の香りがする。




桜たちは最後の役目かのように、2人の前でフワッと花びらが舞い散った。






***