−*初カレ*−

15分程経ち、やっと乗る事が出来た。




ピンクのゴンドラに乗り、ドアを閉めた。




ゆっくりと上へ上がっていく。




観覧車から遊園地全体を見渡すことができる。




ジェットコースターやメリーゴーランド、様々なアトラクションに明かりが付いて、キラキラと輝いている。




「今日は楽しかったな。」


『うん!
でも何で遊園地?』


「ん〜、ただ姫と2人で遊びたかったから。」


『ふ〜ん。』




姫華は窓から夜景を見ながら返事をした。




「あのさ…」


『ん?』


「姫の彼氏はさ…どんな奴…?」


『ん?優哉くんのこと?』


李苑は姫華に問われ、無言で頷いた。




『ん〜とね〜、優しくて、思いやりがあって、ちょっと照れやかな…。
あっ、あとスポーツしている時とかカッコイイよ!!』


姫華は夜景を見ながら優哉を思い出したのか、ふふっと微笑した。




「……。」


李苑は優しい表情をした姫華を切なげに見つめていた。






もうすぐ頂上だ。




ゆっくり、ゆっくり、上へ上がっていく……