−*初カレ*−

『やっと乗れる〜♪』


姫華と李苑は一番前の席に座り、安全レバーを下げた。



『楽しみだね!!』


「おう…。」


『りっちゃん…、もしかして怖い?』


「え゙ッ…んなわけねーじゃん!!よゆーよゆー…。」


明らか動揺し、顔が引き攣ってるりっちゃん。




私の為に無理してくれたんだね。




『りっちゃん、手繋ごっ♪』


「え!?」


『私がいるから怖くないよ!!』


姫華は李苑の手を握ると、ニコッと笑った。




「おう…サンキュ……。」


李苑は顔を赤らめながら俯いた。




ビーーーーーッ




ジェットコースターが発車した。




カタコトカタコト…




最高所まで列車を引き上げる音がし、だんだんと前が見えなくなった。




握っている手に李苑から力がこもる。




最初はゆっくりと傾き、下りの傾斜を勢いよく滑り落ちていく。




『キャーッ♪』




急勾配や角度の付いたカーブするレールの上を高速で駆け抜け、時には一回転して天地逆転したりとスリル満点。