−*初カレ*−

『昔々あるところに―…』








何冊か読んでいたら、奏哉は私にもたれ掛かり眠ってしまった。




「ありがとな。」


『うん。』




久しぶりに童話を読んだな。




昔はママが私に読んでくれたっけ。




懐かしいなー…。




私は奏哉の頭を撫でながら思い返していた。




「そういえば、母さんが夕飯食べていきなさいって言ってたよ。」


『え?』


「そうとう姫華の事気に入ったんだな。」


『本当にいいの?』


「あぁ。」


優哉は私の頭を撫でながら頷いた。




私はお義母さんに“ご飯食べてから帰る”とメールを打った。






―コンコン




「優哉と姫華ちゃん、ご飯よ〜♪」


「今行く。」




『奏哉くーん、ご飯だよ〜』


私は奏哉を揺らしながら起こした。




「ごはん〜?」


奏哉は目を擦りながら言った。