「分かった!!私頑張ってみるッ」


『頑張れ、頑張れ、さーっちゃん♪』


私は拳を作る幸江に、歌うように応援した。




「俺忘れられてるし…。」


『あッ…ごめん…。』


姫華はシュンと頭を垂れた。


「怒ってないからいいって。」


咲人は眉を下げながら姫華の頭を撫でた。


『ほんと…?』


姫華は咲人の機嫌を伺うように下から見上げた。


「ほんと。でも…」


『でも?』


咲人は言葉を区切り、姫華を見つめた。


「俺とも水族館行ってくれよ?」


『へ?』


「だってお前だけずりーじゃん。俺だって水族館行きてーよ。」


本当は姫華と行きたいからって言いたいのに…言葉が出ない…。




『じゃあ今度は一緒に水族館行こうね!!』


姫華はニッコリと咲人に微笑んだ。


「あぁ。」


何もかも許してしまいそうになる笑顔。


咲人は苦笑しながら頷いた。




「あれ?姫華ストラップ変えた?」


『え?』


幸江は姫華の携帯に付いているストラップを指差した。