桜の花びら舞う頃に

帰りの車の中、拓海はいつになく上機嫌だった。


普段からニコニコした笑顔をさらにニコニコさせ、悠希に一生懸命話しかけてくる。



「おばあちゃんと、お買い物行ったんだ~」



「ヒマワリを連れて、公園に行ったんだよ~!」



次から次へと言葉が飛び出す。


悠希は、その言葉の海に溺れそうな感覚を、少し懐かしく感じていた。