「だから僕は、ちえりにキスはしないよ」 そう言って、にっこり笑う僕。 例え今は 解らなくても。 その気持ちが少しでも、ちえに伝わるのなら。 今の僕には、とてつもなく嬉しいんだ。 「………そっか」 そうそっけなく言う彼女の頬から、自分の手を離した。 「………帰ろっ、ちえ」 そして離した手を、また手へと繋ぎ。 夕暮れの空の下 二人は、ゆっくりと自分の家の帰途へと向かっていった。