羨ましかった。


ちょーっと前まで教室の隅で独りぼっちだった可哀そうなあの子。



そんなあの子をただ単純に羨ましかった。



私はあの子が虐められている理由も、ムシされている理由も知らない。



だってさ、知りたくないんだもん。



どーせ単純で、くだらない事なんでしょ。



ただほんのちょっと不愉快なだけ



だからといって、その子の正義のヒーローになって仲良くする気もさらさらない。



理由??



――――めんどくさい。



本当にめんどくさい。変に巻き込まれたくない。私は平和に暮らしたいんだ。




あー可哀そうだな。よっぽど私の方がマシ。


とか思いながら、あの子を見ていた。



誰に対しても興味を持たない私。



なのに最近、あの子を見てると呼吸が苦しくて、胸が張り裂けそうだった。



私はあの子に比べたら完全に幸せな人間のはずなのに・・・。



心の底から、どす黒い感情が込み上げてくる。


張り付けた笑顔で毎日を乗り越えたいのに、今にも破れてしまいそうで怖い。



もー何??イライラ、ムカムカするんだけど。