「泉さーん」


「んー?」


「お砂糖どこー?」


「そこだよー」



いやいや、そこじゃ分かんないから。


あ、あった。


砂糖の買い置きを流しの下の扉の奥底で発見。


あ。


屈み込んでいると金属の当たる高い音が鳴った。



“ドッグタグ”と“鍵”



泉さんの家の鍵が新たに御守りとして追加されていた。



―――――― ゴン



「……いってー」



私は頭を抑えてうずくまった。


ゴンて。ゴンっていった。



「無事?」


「じゃ、ありません」



ひょっこり顔を出した泉さん。


うずくまる私の前でしゃがみ込んだ。


いやー、ヤンキー座りがよくお似合いで。


肩を小刻みに揺らす泉さん。


笑っていらっしゃいますね?


笑っていらっしゃるでしょ?



「笑うならどうぞ盛大に笑って下さい」



その方が私も報われます。