「あんたは俺に弱みを握られている。俺さえいなきゃ気楽にもなれない。無駄金も出さなくて済む」



「あの事か…」



「ここを辞めても俺は誰にも言わない」


「君が来てからウチの売上は好調だったよ。いなくなるのは非常に残念だが…君が決めたのなら仕方ない…か」



「そうゆう事で後はよろしく」



夜月がオーナー室を出ようと
ドアに手をかけた瞬間。
突然、神田川が
苦しむ様な声をあげた。



夜月が振り返ると
神田川は椅子から倒れ落ち
意識を失ったのだ。



「おい?」



近付いて声をかけるが
神田川は何の反応も見せないので
夜月はオーナー室の電話で
救急車を呼んだ。



それから数分後
救急隊員がやって来て
店内は慌ただしくなる。