「夜月くん!」



朱里は夜月の顔に触れる。
すると熱くなっているのに気付いた。



「ちょっと夜月くん、熱あるの!?熱いよ」



驚いた朱里の声にやっと夜月は
薄っすら目を開ける。



「朱…里…?俺どうした?」



「夜月くん、立てる?とにかくベッドに行かなきゃ」



そう言うと夜月は振らつきながら
立ち上がり朱里の肩を借りながら
ベッドに歩き出す。



目の前がぼやけていて
はっきりしないのに夜月は言う。



「平気だ。ちょっと風邪ひいただけだから」



「駄目だよ。ちゃんと寝てないと治らないよ」



「………」



「無茶しちゃ駄目。身体大事にして、夜月くんがこんなんじゃ」



「分かった。情けねぇけど…お前の言う通りにする。マジに身体がいう事きかないみたいだ」



その夜は朱里がほぼ徹夜で
夜月の看病をしていた。



翌日になり
熱も下がって起き上がれる様になった
夜月の側で
疲れて眠ってしまっている
朱里がいた。



「こんなとこに寝てたらお前まで風邪ひくぜ」



夜月は起きて
朱里を抱き上げてベッドに
寝かせて額にキスをした。