NIGHT MOON

「若造が黙ってろ!」



男が言いながら
夜月に拳を振りあげる。



「危ない!」



聖夜が言う前に
夜月はあっさりかわして
二度目は手で受け止める。
所詮は酔っ払い
まともに当たるわけないのだ。
しかも相手は夜月。
平常な状態でも勝ち目は有り得ない。



「大した事ねーな」



含み笑いをして
いきなり相手を一転させ
夜月は無表情で殴り飛ばし
男は飲食店のゴミ捨て場に
突っ込んで行った。



「この人に盾突く馬鹿いるかよ。殺されても知らねーぞ」



聖夜は男とその連れ達に
脅す様に言うと、
男達は殴り飛ばされた男を
引っ張りあげて逃げ去ったのだ。



「馬鹿な奴等」



呆れた顔で小さく言う夜月に
聖夜は聞く。



「どうしたんスか?あんな奴にマジになるなんて夜月さんらしくないっスよ」



「俺にだって抑えきれない事が色々あるんだよ。ここ最近特に…」



「え?」