「……朱里」



(「夜月くん…?」)



一瞬、隙を見せた朱里に
夜月が突然のキスをしてきた。
軽く唇を重ねて一端、顔を離す。



「………」



驚きを隠せない状態の朱里を
無言のまま見つめて
夜月はまた唇を
熱く激しく口付けて塞いで
朱里の気を遠くさせた。



二人は出会って
数時間しか経っていない。
しかも朱里は付き合っていた
恋人と別れたばかり。



そんな時に夜月と出会った。



きっと別れなければ
出会う事のなかった二人。



だがどんな理由であっても
今は何かを考える余裕など
朱里にはない。