NIGHT MOON

外でディスプレイされていた
夜月の写真を見て
朱里は溜め息をつきながら呟く。



「どうしてついて来ちゃったんだろう…」



その時、背後から
誰かが近付いて来て朱里は
気配に感じて振り返る。
すると近付いて来たのは夜月が
頼んだホストの聖夜だった。



「朱里さんですよね?僕は夜月さんに案内を任された聖夜といいます。さぁ中へどうぞ。席にご案内致します」



「あ、はい」



言われるまま朱里は聖夜の後に
続いて店内に入って行く。



中に入ると
そこはいかにもホストクラブだという
ムードが漂っていて
朱里は中の雰囲気に圧倒されて
茫然と辺りを見渡していた。



その瞬間、朱里は誰かと目が合ってしまい思わず立ち止まる。