「ひどい奴だな。雨降ってるのにこんな所に置き去りにするなんて」



「しょうがないじゃない。あたし振られたんだから」



「振られたのか」



「彼に好きな人が出来たから」



「つまり用済みのあんたはもう要らないってか」



失恋したばかりの女に夜月は
水を差す様な事を平気で言う。



「貴方には関係ないじゃない」



怒った女は
その場から立ち去ろうとしたが
夜月は女の肩を掴んで引き止めて
近くにある店の前まで連れて行き
雨に濡れない様にした。