(冷た……)



思ったよりヒンヤリした
細い指先に一瞬だけ驚く。



けどすぐに、きっと熱い
のはあたしの方だって思った。



玲斗の前にひざまづいて、
彼の手をとって。



本当に、王子に使える下女
みたいに玲斗に見つめられ
てるあたし。



(何なのよ……ホントに
コイツ……!)



言葉にできない感情を飲み
込んで、あたしはやすりを
動かす手が震えないように
気をつけるのに必死だった……。





     ☆☆☆☆☆



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