《完》天使の微熱 〜アクマなアイドル〜

「ホラ、陽菜。こっちに来て」



あたしの狼狽なんて玲斗
には気にする価値もないみたい。



白い指先で玲斗の正面に
まわり込むように指示
されて、あたしはおど
おどと移動した。



「何してんの?
オレの手はここだよ?

ホラ……ひざまづいて」



「え…………」



スッとあたしの前に
伸ばされた、細いキレイな手。



滑らかな肌と、全然みがく
必要なんてないんじゃって
くらい整った爪先の左手。



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