《完》天使の微熱 〜アクマなアイドル〜

目線で促されて、あたしは
恐る恐る玲斗の座ってる
椅子のとこまで歩を進める。



その時サッと周りを見て
気づいたけど、ここまで
案内してくれた男の人は
もういなくなってた。



部屋の中にいた女の
スタッフさんはまだいて、
シャンプー台の前辺りに
黙って立ってる。



今ここにいるのは、その
3人だけだった。



ってことはこの女の人が
美容師さん?


――でも玲斗の体には
ケープもかかってなくて、
カットとかしてたような
感じは全くないけど。



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