《完》天使の微熱 〜アクマなアイドル〜

「よかったよ。

文句なし、一発OK!

これでオールアップだ!」



「オール……アップ……」



(終わったんだ……。

ラストシーン――成功
した……?)



スタッフさんの拍手に
包まれて、いよいよそれを
感じる。



だけどやっぱりまだボーッ
として一歩もその場を動け
ないでいたら、玲斗が
こっちに歩いてきてそっと
あたしの手をとってくれた。



「お疲れ様。

さ、戻ろう」



セットを降りる時の段差を
あたしをエスコートする
ように、先にたって歩いて。



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