《完》天使の微熱 〜アクマなアイドル〜

――体で感じるって
こういうことなんだ。



そう思ったあたしの耳に、
監督の掛け声がスッと
入ってきた。



カメラが回り出す。



見つめ合う玲斗とあたし。



玲斗の痛いくらいに真剣な
まなざしが、あたしの心を
波立てた。



……ドキドキする。

体が震えそうになる。



その興奮はあたしのもの
なのか玲斗のものなのか、
自分でもよくわからなかった。



そして――永遠に続くかと
思われた興奮の終わりに、
かすかに震える声で告げ
られた、玲斗の告白――…。



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