あたしはもう、感情を
おさえることができなかった。



涙を流しながらたたき
つけるように叫ぶと、
開いたままのドアから
転がるように部屋を出る。



「陽菜―――…!」



名前を呼ぶ玲斗の声が、
かすかに聞こえたけど。



――振り切るように
スピードを速めて、
あたしは夢中で廊下を
走り続けた……。





     ☆☆☆☆☆



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