《完》天使の微熱 〜アクマなアイドル〜

「……………!」



そう言われるとすぐには
返す言葉が見つからない。



でも――あたしはハンパな
演技なんてしてるつもりない。



曲のこととか全体の
ストーリーとか考えて、
自分なりに精一杯の演技を
してた。



監督のOKもらえない限りは
それでもダメだっていう
のはもちろんわかってるけど……

それでも玲斗にあっさりと
『ハンパ』だなんて、
言われたくないよ。



「……あたしが未熟だって
いうのは認める。

だけどもっと監督の指示を
聞いて何回も繰り返したら
そのうちOK出たかも
しれないじゃない」



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