《完》天使の微熱 〜アクマなアイドル〜

でもここは曲の一番の盛り
上がりに重なる、いわば
最重要シーン。

監督も妥協はできない。



結局その後も、何回も
連続でNGを出した。



玲斗は……普通なら
思いっ切りイヤミ言って
責めそうだけど、なぜか
今日は一言も話さず黙って
監督の指示に従ってる。



その寡黙さが逆にあたしの
不安をあおって、あたしの
演技はどんどんボロボロに
なってった。



さすがにそれを見て監督も
もう無理だと思ったのか、



「このまま続けても意味
なさそうだな。

少し休憩はさむか」



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