《完》天使の微熱 〜アクマなアイドル〜

怖いほど冷たいのに、胸が
締めつけられるほど甘い囁き。



甘い毒薬だって、頭の
片隅で思った。




――もうダメだ。



あたしは本当に、溺れてく。



深い水の底は、きっと
底無し沼かもしれない。



あたしはそこへ、沈んでく。

落ちてゆく。




……それを感じた時、
不思議とフッと体が軽くなって。



あたしはまどろむように、
玲斗の熱い指先にすべての
意識をゆだねてしまった――。





     ☆☆☆☆☆



_